マライーニ図書室見学 - 文化行事・展示会
マライーニ図書室見学 - 文化行事・展示会


 

 

マライーニ図書室見学

(2009年06月29日)

6月29日、IROHAの会員がストロッツィ宮殿内、ヴィエッセウ図書館にあるマライーニ図書室/写真室を、見学。 当施設が属するロマンチシズム・センターの責任者マウリツィオ・ボッシ氏と、エリザ・チャーニ、マイコ・クーブリ、富井恵子の各研究員の方々の寛大な協力により実現した。

フォスコ・マライーニ(1912〜2004)は、フィレンツェ出身の日本研究家。生涯をかけてその書籍や資料を収集した事で知られる。更に自身の手で風景やそこに暮らす人々など、無数の写真を撮影した。その範囲は日本にとどまらず、アジア諸国、更に祖国イタリアにも及ぶ。
マライーニ図書室に収蔵される本は約8000冊。主に日本、チベット、インド、中国関係、また写真室には実に70000枚に及ぶ、彼自身の手で現像した写真が保存されている。

その中に写っている人々はその多くが、伝統産業に携わり、地方の祭りなどに伝統衣装で参加し、更に今日では失われつつある昔ながらの風景が記録されている。

私たちはマライーニ図書室を訪れ、ぎっしりと並ぶ本のいくつかを手に取り、担当者の説明に聞き入った。18世紀の絵入りの本など、通常は非公開の資料も間近に見る事ができた。
また、図書館が用意してくれたマライーニ自作のアルバムには、大判サイズの様々な日本の写真が多数貼られており、参加者全員が興味深く見入っていた。

ヴィエッセウ図書館: 1819年、スイス出身の商人ジョヴァン・ピエロ・ヴィエッセウによって設立され、18世紀のイタリア文化とヨーロッパ文化とを結ぶ最初の機関の一つであった。 当初は閲覧図書館として、一般市民のためにヨーロッパの主な雑誌が置かれ、また談話室や人々が意見交換できる部屋などがあった。
1919年まではヴィエッセウ家所有の私的機関だったが、1925年に市が財政援助する法人組織となる。
図書館は、会議や講演会、展示会などを催し、1995年からは1966年に創刊された機関誌ヴィエッセウ・アンソロジーを復活させた。(4ヶ月に1回発行)
フォスコ・マライーニ自身の希望により、その生涯をかけた東洋書籍コレクション及び自作の写真はG.P.ヴィエッセウ学術文学図書館によって買い取られる。更に当コレクションをベースとし、マライーニ本人によって命名された、ヴィエッセウ・アジアプログラムが発足した。マライーニの願いは、自身のコレクションがフィレンツェそしてトスカーナにおいて、東アジアに関する知識を提供する手だてとなり、ひいては1930年代まで活発に行われていたこの地域の研究が、再び花開くことである。わたしたちIROHAも、それを心から期待している。

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